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NEWYORK LIVE FUCK USA/THE SWANKYS


家で飼われてるマルチーズよりも野良犬の方が俺は好きさ!
  
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THE SWANKYSは80年代博多で結成されたパンクバンド。
初期はノイジーなハードコアだったが、次第にUK70sスタイルのパンク・サウンドへと変化し、博多を代表するパンクバンドへとなっていった。
今回紹介する「NEWYORK LIVE FUCK USA」はセカンドアルバム、数枚のシングル(EP)を経て発表された、彼らの初めてのライブアルバム。

「NEWYORK LIVE FUCK USA」なんてタイトルなんだから当然ニューヨークのライブを収めたライブじゃないとおかしいワケだけど、当時、SWANKYSが渡米したとは考えられんし、ライブ盤本編のどうも後付けくさい歓声から考えても実際には“NEWYORK LIVE”ではないと思われる。…ってオイ!
こういう事を平気でやっちゃうのがSWANKYS、そしてリリース元のブッ飛びレーベルKWRの凄さの一つか。
意識的なのか素なのか、全てがやたらに胡散臭そーで、チープなのだ。

が、しかしバンドは本物なのである。

この作品におけるSWANKYSの曲は全部日本語で歌ってるんだが、ちょいと聞きでは日本のバンドを聞いてる気分にならない。
ボーカルであるウォッチの、ジョニー・ロットン直系の人を舐め腐った餓鬼声ボーカルによる所も大きいと思うが、メンバーの意識的な音楽センスよるところが一番大きい。
「KENZIとかPOGOより、PISTOLSとかCLASHに近いと思う、おれら」
と当時メンバーは語っていたそうだが、的を得てると思う。
同時に、ここまでルーズで、皮肉に満ち溢れたバンドも今だにそうそういないと思う。
歌詞も毒まみれ。「●●●●マガジン●島―!中身はいつもワンパターン!」と、当時一番人気のパンク媒体であったサブカル誌を攻撃したり(LIP CREAMの記事を参照)、「どいつもコイツも薬付けさ!売女のあの子はフロムトーキョー!」と、東京のパンクスを挑発してみたりのヤンチャっぷり。
こんなバンドがやたらチープなコラージュ・ジャケで、九州の怪しいレーベル(いやいや、ほんとは名門デスヨ!)からレコード出してんだから、なんだかカオスだ。

しかし、曲はすごくキャッチーでカッコいい。
“OLD FASHION”“No Bondage”“Five Star”といった名曲たちのカッコよさといったら!
それらがライブ盤らしい疾走感で迫ってくる。
ちなみに、このライブ盤の殆どの曲は、名作セカンドアルバム「NEVER CAN EAT SWANK DINNER」に収められているが、あちらの音が若干軽かったのに比べ、本作の方が若干ファットなサウンドになってる。
好みもあろうが、個人的にはパンクが好きならどちらも是非聞いてもらいたい作品。

本作にはスタジオデモを収録したDISCもセットになっている。
そこでは衝撃の“Pop Rocker”“Joke Joke Joke”が聞けます。
しかし、“Crazy(セカンドにも収録)”の「“難民に愛の手を”?ふざけんな、俺たちだって腹ペコさ。偽善者ズラして金をバラ巻きゃそれでOK―?」って歌詞には震える。
バブルの時代、こんな事を叫んでいたパンクスが博多にいたのだ。
SWANKYS、No Bondage!!
by gudon696 | 2006-03-06 22:55 | Sad Vacation(DISC)
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